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例えば、こんな...
第10章 バカンス
身体は甘く香って俺を誘うのに、当の本人は逃れようと身を捩る。

離す訳ないだろ

「水着、見せて?」
耳元で囁くと真純がピタリと抵抗を止めた。瞬時に体温を上げ、甘い香りが強くなる。
「……」
過剰な反応に一抹の不安。

もしかして、千佳にまた何か仕込まれてる?
一緒に水着を買いに行ったって言ってたよな。

バレンタインの時の入浴剤を思い出してパーカーを脱がすのを躊躇する。
「脱ぐ前に確かめて良い?」
腕を解いて覗き込むと、しばらくの間を置いて恥ずかしそうに真純に頷かれた。
襟ぐりに指を掛けて引き寄せる。僅かに開いた隙間から視線を落として今度は俺が固まった。

……千佳のヤツ

恥ずかしさからほんのりとピンクに染まった身体に、まさかの白ビキニ。
しっかり刻まれた胸の谷間にくびれたウエスト。かろうじて腸骨にかかる高さで左右に結ばれたリボン。

可愛いし、確かに似合ってるけど……

カップの上端から溢れた胸のふくらみにどうしても目が行って、柔らかな丸みに触りたくなる。

これ、俺以外の男にも見せんの?
すっげー嫌なんだけど……

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