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第10章 バカンス

「やっ！」
足をバタつかせた真純がバランスを崩し、慌ててすがりついてくる。
「あ、ゴメン」
わざとではないかように謝って、華奢なウエストを引き寄せる。必然的に真純の足が下りて、俺の脚と重なった。
「んっ」
ぶつかったのは真純の膝と俺の腿。自然を装って彼女の膝を割るよう身体を誘導する。
内腿が擦れる感触に、見る間に赤く染まる真純。甘く香って俺を揺する。
水の中で触れ合う肌はするすると滑らかで、温かくて。真純の過剰な反応に煽られる。人に言えないいかがわしい欲が湧く。
「ひやっ、ん……」
腰から背中へ指を這わせると、真純が甘えた声を上げて身を捩った。擦れ合う腿。水着の上から圧迫されて、腹の底が熱を持つ。

あー、ヤバい……
本気で弄りたくなってきた。

真純の腰からヒップに手を滑らせ、わざと俺の腿に擦り当たるようにして抱き寄せる。
「やっ、あっ、ぁん」

水着、邪魔

「どうしたの？」
右だけ上がった口角に、故意にされたと気付いたらしい。真純が泣きそうな顔になった。
「拓真、さん……」
「うん？」
腿を揺らすと
「ん」
すがるように見詰めてくる。

…………真純？