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例えば、こんな...
第10章 バカンス
俺が収まるのを待って、早々に部屋に引き上げた。

扉が閉まるのも待てずに抱き上げて中へ連れて行く。
「たっ拓真、さん!」
焦った様に俺を呼ぶ真純をベッドへ座らせ、パーカーを剥ぎ取り、サンダルを脱がせ
「あっの、」
何か言おうとしているのも構わず、そのまま抱え上げて奥の方に押し倒す。
「きゃっ」
ベッドのスプリングで小さく弾んだ身体。
「たっくま、さん」
その反動を利用して起き上がろうとする真純の両手を頭の左右に縫い止めた。上から見下ろせば、白いビキニの胸元から朱に染まる肌、甘い香り。潤んだ瞳にうっすら開いた濡れた唇。

……誘ってる、でしょ?

「なに?」
聞くからには話し易いよう微笑み掛けると、ホッとしたように真純の眉が下がった。
「しゃっ、シャワー浴びたいです」
「……何で?」
「なっ、なんでって、プール入ったし」
「うん、それプールサイドで流したよね?」
「あ……そ、そうです、けどっ、身体冷えてて」
「すぐに熱くなるでしょ?」
「っ!」
小さく息を飲み、甘く香ってさらに上気していく。
「でっで、も」
「うん、もうちょっと黙って?」
口角を上げて笑んで見せ、言葉を奪うように唇を重ねた。
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