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例えば、こんな...
第10章 バカンス
同時にキュッと締め付けられて下腹に力が入った。
「大丈夫?」
真っ赤な顔を覗き込むと蕩けきった目でゆるゆると左右に首を振る。
「上がる?」
再度の問いに今度は小刻みに縦に揺れて。
「抜く、よ」
一言かけて真純の身体を抱え上げた。
「ぁ、ん……」
湯が跳ねる音に混じって聞こえた甘い声。
華奢な腕が首に絡みついてくる。
真純の背中に腕を回し、落とさないよう気を付けながら湯船から立ち上がった。浴室に湯が散る音が響く。
縦に抱き上げたまま脱衣所でバスタオルを引っ掛け、真っ直ぐ寝室へ移動した。
「下ろすよ」
片手でバスタオルを広げた上に真純を座らせてから、そっと横に倒す。頭を下ろしても真純の腕は首に絡んだままで。
「ごめん、タオル取りに行くから一度離して?」
軽く肩を叩いてみたけれど
「や、そばに……いて」
逆に引き寄せられてしまった。
甘い香りに誘われる。

うん、まぁそうしたいのはやまやまなんだけどね。

「このまま続けると風邪ひいちゃうから。ね?」
頭にキスを落として待っていると、真純の腕からゆっくり力が抜けてパタンとベッドに落ちた。
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