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例えば、こんな...
第10章 バカンス
真純の腕が首に回された。軽く引き寄せられて、口角が上がる。
「つっ……づき……」
「ん?」
深く交わるキスの合間に真純が小さく言葉を紡ぐ。
「……さっき」
「うん」
話しやすい様、啄むだけのキスに切り変えて。
「……さっきの、続き……」
「うん?」
真純がギュッとすがり付いてきた。耳にはぁっと吐息が掛かる。その熱に俺も熱くなる一方で。堪え切れずに抱き寄せた。
「……シたい、です」
辛うじて届いた甘い声。

溶かされる……

全身の骨を抜かれるかと思った。
「ん、いっぱい、シよ?」
お返しとばかりに耳朶を啄み、舌を滑らせる。
「あっ……やっ、ぁん!」
小刻みに震えて逃れようとする頭を抱え込み、わざと水音をたてながら丹念に耳介の形をなぞった。
「ひぁん、やっ、やっん、ぁあっ」
顎を反らし、首を傾げて真純が抵抗する。
もちろん許す訳ないけど。
耳介から耳のすぐ後ろに舌を這わせ、そこにキツく口付ける。
「んっ!」
小さく赤く残った痕をペロリと舐めて、首筋へとキスを滑らせた。
「あっ……んっ」
頭を抱え込むように抱き締められて、甘い香りが強くなる。
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