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例えば、こんな...
第12章 女子高生と先生と #2
「す、すみません」
熱い顔はきっと真っ赤に違いない。
話すのに夢中になってしまった事そのものもだけど、斎藤先生は化学の先生なのに……しかも、直前に化学を選択したのは化学が好きだからって話しておきながら……
恥ずかしい上に申し訳ない気持ちも沸いてきて。斎藤先生の視線から逃げる様に顔を伏せた。

どう、しよう……

続ける言葉が見つからない。
「何で謝るの?」
聞いてくれる声は優しい。
「ひ、一人で夢中になって話してしまって……斎藤先生は化学の先生なのに……」
話しながらマグカップの柄をギュッと掴んだ。
頭上からふふっと笑う声。
「夢中になるのはそれだけ好きって事だろ?良いことだよ」
恐る恐る顔を上げると、斎藤先生はちゃんと私の方を見てくれていた。まるで見守ってくれているような眼差し。
「確かに、河合の言う通り」

え……

「いつも使っているから意識して考えた事なかったけど、日本語って豊かな言語なんだな」
ニコリと笑ったその笑顔にドキッとする。
千佳ちゃんに『真純は本当に日本語が好きだね』と言われた事はあっても、自分から誰かに話した事はなくて……
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