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例えば、こんな...
第12章 女子高生と先生と #2
放課後斎藤先生と話してから、私は今までに増して図書室での勉強に力が入っていた。ちゃんと日本語を学ぼうと思うとやはりその研究をしてる教授がいる大学に行きたいと思い始めて……
悩み処は壮ちゃんから離れられない事。

H大は……遠いよねえ……

体調を崩した時の事を考えるとそんな遠くには行けない。

もう一度調べてみよう。

拡げていた参考書とノートを閉じ、重ねて鞄に仕舞おうとして。
「真純」
「あ、千佳ちゃん」
机の向かいに立つ千佳ちゃんに気が付いた。
「今日はもう終わり?」
「うん」
声を落として話し掛けてくる。
「じゃ、帰ろっか」
「うん」
続けて頷くと、千佳ちゃんはにこりと笑ってサブバックを持ってくれた。いつもそうやって私の負担を軽くしてくれる。
「ありがとう」
お礼を言うと逆に嬉しそうに微笑むから、何だか少しドキドキする。

モデルをしてる千佳ちゃんは背が高い。小柄な私はその肩に辛うじて頭が届くくらい。子どもの頃はそんなに違わなかったのに……
転校が決まって再会した時、びっくりするほど格好良くなっていた。でも優しいところは変わってなくて、私は千佳ちゃんにお世話になりっぱなし。
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