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例えば、こんな...
第12章 女子高生と先生と #2
そんな千佳ちゃんだから、並んで歩いてると注目を集めてしまう。痛いほどの視線に俯きたくなって。でもそうすると千佳ちゃんが気にしてしまうから、頑張って顔をあげる。
図書室を出て息を吐きたくなったのは内緒。

他愛のない事を話しながら廊下を抜け靴箱の並ぶ昇降口へ。大きなドアを出て三段階段を下る。千佳ちゃんにごく自然に手を差し出された。
たかが三段。
でも以前ここで足を挫いた事のある私は大人しく手を預ける。嬉しそうに微笑む千佳ちゃんにキュッと手を握られた。
一緒に階段を降り、手を繋いだまま歩き出す。
千佳ちゃんは大丈夫だけど、男の人が怖い私はバスや電車に乗る事が出来ない。なので、ちょっと遠いけど自転車で通学してる。とは言っても千佳ちゃんが一緒の日は後ろに乗せてくれるし、雨の日は風邪を心配して壮ちゃんかはるちゃんが車で送り迎えしてくれるから、辛く思った事はない。申し訳ないとも思うけど、体力のない私はありがたく甘えさせてもらってる。

今も、そう。
千佳ちゃんが駐輪所から私の自転車を押してきてくれた。
後ろに座って千佳ちゃんのお腹に手を回す。その上から千佳ちゃんの手が重なった。
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