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例えば、こんな...
第12章 女子高生と先生と #2
紫紺の空に瞬く星ぼし。
私は空を見上げながら千佳ちゃんのお腹に腕を回し、自転車の後ろに腰掛けてる。スピードを制してくれてるから、下り坂も怖くない。
話題は互いの進路について。
千佳ちゃんはモデルの仕事を続けながら大学に進学するんだって。
目指すは法学部。流石、千佳ちゃん。

私はやっと方向が決められた事が嬉しくて、斎藤先生にアドバイスしてもらった経緯を千佳ちゃんに話していた。
「ふーん……」
最後まで聞いての、千佳ちゃんの相づち。そのまま黙り込んだと思っていたら、キューッとブレーキが掛かって自転車がゆっくり止まった。ここは住宅街の中。

な、に?

前を覗くと、丁度黄色から赤に切り替わる信号が目に入った。
「ね、真純」
改まった口調で話し掛けられ、後ろから千佳ちゃんの頭を見上げる。
「うん?」
「斎藤先生と二人で大丈夫だったの?」
「あっ、うん……」
そう言えば、斎藤先生が男の人だって気にならなかった……
千佳ちゃんに言われて保健室の時と同様、全く怖いと感じていなかった事に気が付いた。教員室から男子生徒が出てきた時は緊張してたのに……
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