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例えば、こんな...
第12章 女子高生と先生と #2
間一髪、何とか間に合った。ぐったりと力が抜けて倒れ込む。

怖い、気持ち悪い
怖い、気持ち悪い
怖い、気持ち悪い
怖い、気持ち悪い……

額を伝い落ちるじっとりとした冷や汗。
私はしばらくそこから動けなかった。

どのくらいそうしてたのか、もしかしたら少しの間気を失っていたかもしれない。
ようやく落ち着いた私はゆっくり起き上がり、自分の部屋へと戻った。

それは、心が蓋をしていた記憶。
バラバラな断片が合わさって、段々ハッキリとしていく。

あの日、一緒に遊んでた千佳ちゃんが家にボールを取りに帰って、私はブランコで一人で待っていた。
そこに知らない男の人がニコニコしながら近付いてきて
『あっちで楽しい事して遊ぼう』
って。
一緒になんて行きたくなかったのに、無理やりお山の下のトンネルの中へ連れて行かれた。怖くて、気持ち悪くて、でも抵抗するどころか、声も出せなくて……
男の人に身体を触られそうになった時、あのお兄さんが『何してんだよ!』って。男の人を引き剥がし、トンネルの外へ連れ出して、私の所に戻って来てくれた。
怖くて動けない私が落ち着くのを待って、外に連れ出してくれたんだ……
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