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例えば、こんな...
第3章 御礼
そんな私に気付いてるのかいないのか、拓真くんが腕の力を弱めて覗き込んでくる。
「キス、したいです」
「!」
「顔、上げて下さい」
優しい声。でもとてもじゃないけど、恥ずかしくて動けない。
拓真くんの両手に頬を包まれた。ゆっくり上を向かされて、チュッと唇が触れる。
額と額を合わせて
「ギリギリまで、一緒にいたいです」
熱っぽく告げられ、また唇が重なる。
啄むような口付けを繰り返し、角度を付けて深くなる。絡む舌に、乱される。
「んっ……ふ、あ……」
頬を覆っていた左手が腰に回され、グイッと引き寄せられた。密着した身体に思わず腰を引こうとして、力強い腕に阻まれる。
「ダメ。離れないで下さい」
私を制してキスを続ける。その低く抑えた声にゾクッと背筋が震えた。
「ぅん……やっ、ぁ」
深く絡んで、歯列の裏を撫でられる。

待って……まっ、て……

快感を呼び起こす深いキスにクラクラする。上手く息継ぎが出来ない。

何、で?
拓真くん、キス気持ち良過……ぎ……

身体が火照り始めて、拓真くんの肩を必死で叩いた。
「ふぅっ、んん……っは……」
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