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例えば、こんな...
第4章 先生と男子高生 #2
未だ名前も知らないその子に連れられて、俺は制服のままカラオケボックスに座らせられていた。
慣れた様子で俺の分までドリンクを頼み、ドンドン曲を入れていく。
「なぁ、お前誰だよ?」
「私?みゆき」
「名字は」
「必要ないでしょ?」
「はぁ?」
「名前で呼んで?」
今の今まで選曲機械を見下ろしていたみゆきがその時だけ俺を見上げてニッコリ笑った。
「却下」
「ケチ」
「……」
一曲目のイントロが流れ、みゆきが歌い始めた頃ドアがノックされドリンクと山盛りのフライドポテトとたこ焼きが届いた。

これ誰が食べんの?
二人で喰ったとして、全部食べきれんの?
っていうか、いつまで居る気だよ……

仕方なくホットコーヒーを手前に寄せた。
真純ちゃんに急用が出来て遅くなる事をメールで送り、コーヒーを飲む。

あ、こいつ歌上手い……
何か、ムカつく

明るい元気なポップスも切ない歌い上げ系のバラードも巧みに歌いこなして、また次の曲を入れる。曲の間にポテトとたこ焼きを頬張って。
クリスマスの事で何か言われるかと思ったけど、何もない。

俺がここにいる必要ないんじゃねぇの

「俺、帰るわ」
「教育委員会」
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