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例えば、こんな...
第4章 先生と男子高生 #2
千尋の腕をそっと外す。今度はすんなり解けて下に下りた。二の腕を掴んで俺から離す。
「俺は千尋とセックス出来ない。幸せにしてやれない」
「……」
「でも、千尋の幸せは願ってる」
スンッと小さく鼻をすする音が聞こえた。
「千尋が好きで、千尋を一番に愛してくれる奴とセックスしろ」
「……そんなの」
「いるから。絶対」

存在する訳ないと思っていた俺が出会えたんだから、間違いない

「ソレまで大事に守っとけ」
「でも、みんな」
「みんななんて関係ない。千尋が幸せになれるかが重要で、早けりゃ良いもんじゃねぇし。くっだらねぇ事競ってんなよ」
「…………」
「分かったら顔洗ってこい」
ポンポンと軽く頭を叩いて千尋から離れた。
テーブルの上の食器をキッチンへ運んで片付ける。洗ったそれらを拭き始めた頃、千尋が洗面所に向かうのが見えた。
ひとまずほっとして、散々喰い散らした俺の言う事じゃないなと自嘲する。

まだ中学を卒業するに過ぎない千尋にあんな風に言わせたのは俺だろうな……

私情に巻き込んでゴメン
応えられなくてゴメン

千尋の幸せは、本気で願ってるから……

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