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例えば、こんな...
第1章 先生と男子高生
「斎藤くん、何か入れたっけ?」
「いえ、ブラックで」
「そうだよね」
こくこくと頷きながら真純ちゃんは自分のマグカップにスティックシュガーを三本、レンジで温めていた牛乳を結構な量注ぎ入れた。

道理で少なかった訳だ。
……やっぱり、コーヒー苦手だよね?
もしかして……俺の好み覚えてて、合わせてくれた?

やべ、二ヤける

嬉しくて緩む口元を右手で隠した。
「立ってないで、座って?」
促されるまま腰掛けて、窓から射し込む夕日に思わず目を閉じた。
「あっ、ゴメンね」
立ち上がってカーテンを閉めようとしてくれる。でも、上手くいかなくて。
「あれ、おかしいな」
完全に俺に背を向けて、窓際のソファー越しに手を伸ばす。膝下丈のワンピースが、前屈みで伸び上がったせいで裾が上がって目線近くで揺れている。見えそうで、見えない。

……中、覗くよ?

「あれ?……あれ?」
尚も一生懸命な真純ちゃん。グイッとカーテンを引っ張る度に裾が揺れて、白い太ももがチラチラと……

ねぇ、それ誘ってる?

耐えられる自信がなくて立ち上がった。
「俺、手伝います」
隣に立つと真純ちゃんは俺の顎までの高さしかない。
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