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例えば、こんな...
第4章 先生と男子高生 #2
「触んな」
また伸びてきた手を振り払う。
「良いじゃん、減るもんじゃないんだし。昔は触りっこした仲でしょ?」
「俺も楽しんでたような言い方するな。あれは皐月が一方的に触ってきたんだろうが」
「憶えてたんだ」
ニヤニヤ笑いながら俺を見る。
「……」
まだ小学二年の時の話だ。当時小五の皐月は当然俺より体格も良い訳で、抵抗虚しく無理やりひん剥かれて、勃たされた。それも一回や二回じゃない。
初めは何をされたかわからなかった。でも屈辱的な事だとは分かる訳で…悔しさから少林寺拳法を始め、本気で鍛えて早々に撃退出来るようになったから良いものの。忘れられる訳がない。
「どう?成長した?」
「止めろ!」
懲りずに伸びてきた手首を取り、関節を捻って膝を折らせた。
「いった!痛い痛いよ!」
「痛くしてんだよ」
「酷い!」
「どっちが!何時までも俺で遊ぶな!」
手を落としてそのまま洗面所を出た。
部屋に戻って服を着る。もう、一分も無駄にしたくない。
コートを羽織って階段を駆け降りると
「拓!どこ行くの?」
リビングからお袋が聞いてくる。
「彼女の家」
「帰ってくるの?」
「……来るよ」

多分、泊めてはもらえない。

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