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暁闇
第8章 好意と好きと
「……で、オレがちょっとイライラしてたとき」
その袋を開けながら、話し続ける。
「表に出さないように気をつけてたんだけど、その子、何かあった? って声掛けてきて。
何もないよ、って答えたのに、私には分かるよ、って――――」
「ああ……それは嬉しいよな」
「そうなんすよ! え? オレのことすげー見ててくれてんのかな? って。
そういうのなんかテンションあがりますよね!?」
はー……、と大きく息を吐いて。
「……ほんと可愛いんすよ……」
そう言って、テーブルに突っ伏す。
ぶつかりそうになった開封済みの袋菓子。
腕を伸ばして脇へと退かしながら俺は言った。
「そんないい子、絶対他にも狙ってる奴いるだろ」
「――――ですよね!?」
がばっと起き上がり、必死な顔で俺を見る。