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暁闇
第8章 好意と好きと
……そのとき。
「ねえ、翔悟さんは?」
テレビに夢中かと思っていたのに、
「翔悟さんはどーなの?」
俺を見て、そう続ける。
「どう、って――――」
「だから、彼女とか……好きな人、とか?」
「いないよ」
俺の即答に、丈は、えー! と不満そうな声をあげる。
「嘘だあ。翔悟さんもてるっしょ?」
「んなことねーよ」
「オレが女だったら放っとかないけど」
にっ、と口元に浮かべた笑みを深くする。
「俺は丈でもいいぜ?」
手を伸ばして丈の腕を掴み、ぐっと顔を寄せた。
「ふぇっ!?」
一瞬にしてその笑みは戸惑いと驚きに変わる。
「うっそ! ちょ、ちょっと待って!」
ぐぐ、とその腕を引き寄せるようにしてさらに顔を近づけてやると、焦りからか丈は必死の形相で拒んでくる。