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暁闇
第8章 好意と好きと
「翔悟さん?」
「え?」
丈に名前を呼ばれ、我に返った。
「あ、悪い」
そう言って、立ち上がる。
「今度、ちゃんと話す。
……寝場所、準備するぞ」
なんだか考えがまとまらなくて。
そんなふうに丈に伝え、俺は立ち上がってガラステーブルをどかそうとした。
「あ、オレやる!」
丈はそう言いながら、手伝ってくれて。
空いたスペースに座布団を並べ、タオルケットをかけて即席の寝床を準備する。
「うち、来客用の布団とかねーからこれで我慢して」
「全然大丈夫っす! すいません」
上掛け用のタオルケットを丈に向かって放り投げると、うわ! と言いながらもそれを受け止めた丈は、そのままそこにごろんと横になって。
「人んちに泊まるのって、なんかテンションあがんないすか?」
へへっ、と楽しそうに笑う。
「いつもテンション高いくせに」
「なんすか人をアホみたいに」
「ほめてんだよ」
「マジすか!?」
ころころと変わる丈の表情は見てて飽きない。
きっと学校でもムードメーカーなのだろうな、と俺は思った。