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暁闇
第8章 好意と好きと
「いいな、って思うと、すぐ好きになんない?」
「……丈は、そうなる?」
「ん。今の子もそうだし。
この子いいなー、好きだなー、って」
羨ましいほど真っ直ぐな彼の思考回路。
苦笑しながら、そうか……と呟いた。
「翔悟さんは違うの?」
「ん?」
「そうなんないの?」
「……いろいろあるんだよ」
あおいさんに対しての好意は間違いなくある。
いい人だと思うし、正直……気にはなっている。
でも、その感情は好き、なのか――――。
俺にはよく、分からなかった。
彼女といると楽しい。
心が安らぐ。
安心できる。
だからまた、会いたくなる。
――でも。
桜井のときのような、胸が苦しくなるようなそんな想いじゃ、ないんだ。