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暁闇
第8章  好意と好きと


……それに。
出会いが、出会いだから。

まだ、あおいさんの中には葉月先輩がいるかもしれない。
だって俺の中にだって、桜井の存在はまだある。
彼女のことを思うときは、だんだん少なくなってはいるけれど。
完全に消すなんてこと、この先できるのか正直わからない。
そんな状態で、誰かを好きとか……そういうことを口にしてはいけない気がした。


「……ふうん」


黙り込んだ俺に、丈は言った。


「なんかさ、大人ってめんどくさいね」


その言葉に俺は思わず吹き出す。


「……だな。
幸いなことにお前はまだ子供なんだから、よけいなこと考えないでちゃんと告れよ」

「了解っすー」


そう答えると、じゃあもう寝るー、と宣言し、


「おやすみ~」


と、声を掛けてきた。


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