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銀剣士の憂鬱
第18章 一緒に

「...人間食べてたのか?
っていうか、湖の底で暮らしてるはずなのにどうして人間のこと知ってたんだ?」

サラは2匹目の魚も食べ終えて、果物をかじりながら訊ねた。
チェチェの身の上話は突っ込みどころ満載だった。

「私達の種族は身体の触手で周りの物を察知することができるんです。
長生きするほど広い距離を察知することができます。
とくに人間は私達の種族と同じように魔力を持つ生物として認知されていました。

ちなみにこの触手の能力は人間の姿になったときにも有効で、魔力のないときにはこの感覚だけが唯一頼れるものでしたね。」

「お前はその能力で私のことを追っかけ回してたのか!?」

「はい。ちなみに結局人間は食べませんでした。
食べてしまうとサラに嫌われそうな気がして。」

「そうか...
ところで、どうして男の姿になんてなった?」

サラはその理由をなんとなく分かってはいたけれど、つい聞いてしまった。

「私はもともと男の分類です。

それにこの姿の方があなたに見合うと思って。

...

人間じゃないことを隠していて、すみませんでした。
私が目の前に現れたこと、怒ってないですか?」

「いや、

...むしろ謝るのは私の方だ。

ひどいことを言って、すまなかった...」

「そんなこと、気にしなくても良かったのに。
私の方があなたを泣かせてしまったから...」

チェチェはそっとサラの髪を撫でて続けた。

「私のこと嫌いになってないですか?」

「...チェチェはチェチェだからな。」

「良かった...
でも、呼び名なんですけど、姿も変わったし、これを機に“カイル“と呼んで下さい。
もともと、チェチェリアスというのは私達の種族の名前です。
カイルが私自身の名前です。」

「そうか...」

「呼んで下さい。」

「えっ?...
....
......えっと、もう疲れたし、休まないか?」
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