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銀剣士の憂鬱
第4章 青白い満月の輝く夜


(森を抜けるまで保護して欲しい。ということだろうか?
正直、めんどくさい。
けど、昨日助けちゃったからなぁ。
やっぱり関わるんじゃなかった...)


サラが返答に困っていると少女は追い討ちをかけるように続けた。

「私は...魔術が使えます!
助けていただいたお礼に今度は私があなた様を助けたいのです!」

「だったらなぜ昨日、魔術を使わなかった?」

サラは思わず、即答する。


(守って欲しい。と言われるよりはいいのかもしれないけど、なんともうさんくさい女だ。)


「いえ、昨晩はその...訳あって魔力を全て使いきっておりました...

でも!月がっ!また月が満ちれば魔力が戻ります!私の魔力は月のご加護で使うことができるんです!」

「そう。じゃあ一人でなんとかできるんだな。
悪いが、私は行くから。」

観察したところ、確かに彼女の言うように魔力を感じられず、殺気も魔物の気配さえも感じられなかった。


(魔術が使えるとは言うけれど、おそらくは普通の女だろう。
もう、ほっといて行こう。)


下からこちらを見上げる彼女。
大きな瞳で一生懸命懇願してくる彼女はなんともいえない可愛らしさと切なさを放っていた。


(...もう斬ってしまいたい。

だいたい、昨日引き裂かれた衣服がそのままで乳が溢れんばかりに見えてるしっ!
胸の膨らみなんてない私への嫌がらせかっ!!)


とにかくサラはそんな女と一緒にいるのはごめんだった。
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