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オオカミ君のホンネ
第17章 三度目の正直

「ッあ~!気持ちいい~~!」

風呂はジャグジーが付いてるし、ここからも夜景が見える。こりゃあ高級マンション確定。シャンプーやリンスも見たこと無い英語で説明が書いてある赤色の容器。

「絶対高級マンションだな…」

ガララッ

「やっぱり分かる?」

戸の開く音がしたと思ったら森野が入ってきた。驚いて勢い余ってジャグジーに頭をぶつけた。

「うぐあぁッ」

鈍い痛みが走った後に瞬間的に閉じた瞼を開くと、森野のどアップ。

「大丈夫?」

「……大丈夫…じゃない」

大丈夫なワケない。イケメンと二人きりで裸の付き合い……ヤバい鼻血出る…
いくら男同士だからって…ね?

「………な…なんで入ってくんだよ」


俺がそっけなく言い放つと、啄むようなキスをしてきた。

「んッ!!やめ…ふ…ん…ん…ッぁ」

啄むようなキスを止めて、甘くとろけるようなキスに変わった。


ちゅ…ちゅぷ…くち… 

卑猥な音が風呂場に響く。
森野の妖艶で潤おしい瞳を見つめていると、どうしても愛おしく思えてしまう。

「…ふ…ッぁん……森…野……」

「……ここに居るときだけでもイイから……正樹って…呼んで?」

今日のことも有ってか、どうにでもなれと思えてくる。キスするたびに蘇る森野独特の甘ったるい香水の香りとオトナの香り。

「ん………抱きしめてくれたら…イイよ。」

耳元で呟くと優しく抱きしめてくれた。それと同時に香る、あの甘ったるい香り…


否定しなきゃという気持ちと裏腹に思考回路は停止する。


「……正樹………大好き…」

一時的な感情だろうか。でも、幸也のときとは違う……甘い、甘い感情が溢れ出る。

「…俺もだよ」

正樹は優しく微笑んで、たくさんのキスを俺にした。
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