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オオカミ君のホンネ
第18章 孤独の正体
幸也side

「……可愛い」


……本当はすべて知ってた。

染詠のとった前の行為は自分を慰めるために行ったもので、あの笑顔も、あの嫉妬も、自分を慰めることのできる場所を誰にも渡したくないがために出た反応だったと。そして森野が染詠に告白したことも、染詠の心は『慰めのためとして』ではなく、森野に移りつつあると。


…俺は、本当に染詠を愛してた。



あの笑顔も、嫉妬も…全てを我が物にしたいと心が悲鳴をあげている。




もう何もかも気づいてしまって





自分を見失いそうでーー







恐怖に押し流されてしまいそうでーー









流れ落ちる涙を無視して
走りつづけることしかできなかった。
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