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第10章 復讐

肇side

「うあ゛あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁん」

リビングからの叫びに驚いた。

肇「なんだ、
どうしたんだよ！染詠！？」
急いでリビングに駆けつけると
床は飯や割れた皿の破片に
手を血まみれにした染詠がいた。
肇「どうした？大丈夫だから！落ち着けって！」
染「うあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁん」
肇「深呼吸しろ！な？大丈夫……大丈夫……ゆっくり…安心しろ。な、」
染詠は俺の促しでなんとか冷静さを取り戻した。事情をきくとはっきりとは言わなかったが幸也と何か有ったらしい……

とりあえず、手を応急処置して水を飲ませた。

まあまず、染詠は怒り方が異常だ。
しかしこれは仕方ないことなのだ。


普通の人間だったら、
「許せない！」
とか、
「帰ってきたら思い知らせてやる」
だとか、
普通に怒って普通に改善する。

でも，染詠は違う。
やっとのことで心をひらいた大切な人と、何か有ったのだ。
人間不信な染詠には、暴れることしかできない。

「一体幸也と何が有ったんだよ…」

俺は疲れ果てて、染詠を椅子に座らせて絨毯(じゅうたん)の上で一眠りした。