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夢
第13章 一難去ってまた一難
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
「はい」
「マコト!!カズいるか?」
「ミナミ!!いるけど…」
「入るぞ!」
リビングで教科書を見るカズがいた
「カズ!!夢の行きそうなとこ知らねーか?」
「どうしたんだよ?」
「いろいろあってな…」
事情を話す
「なるほど…ね」
「きっと、何も知らない自分が悔しかったのもあるし、もっとミナミのこと知りたいって思ったんだろな」
「あいつどこ行ったんだ…」
「電車乗ったってことは…おそらくあそこだな!!」
場所を聞き、ミナミが向かった
「ミナミ…夢にはミナミしかいない…連れて帰ってこいよ」
「あぁ、俺にも夢がすべてだ。カズ、ありがと」
「ミナミ…女の名前だったのか………」
俺はミナミの本名すら知らない…何にも知らないんだ…
何やってんだ俺…
何度も壁を叩いた…血だらけの拳で何度も何度も
「クソっ…」
壁に座り込み…下を向き泣いた…
「夢!!」
…ミナミの声が聞こえる…
「夢!!」
…あれ…!?
「夢!!」
「ミナミ!?」
「夢!!…夢!!」
「ミナミ…どうして…ここが!?」
「カズに…」
「あいつ知ってたのか…」
「お前のお気に入りの場所だろ…ここ…」
「うん……ここ……小さい頃から、好きだったんだ…俺だけの場所…」
「夢…一緒に帰ろ」
「………」
「夢…」
「あのひと…帰ったの?」
「あぁ……、なぁ、夢……話ししよ」
「前の奥さん?」
「あぁ…」
「ミナミって奥さんの名前だったの……」
「あぁ…そうだ」
「そう…」
「夢…帰ってゆっくり話ししよ…な、」
「帰らない…俺…ミナミと別れる…」
「夢!?」
「ごめん…頭の中が…混乱してよくわからない…」
「帰るよ…ひとりになりたい…」
夢が振り向きミナミに近づき指からリングを外しミナミの手に乗せる
「夢!?お前怪我してるのか!?」
「離してくれ!!」
夢が歩きだした
ミナミは…夢の後ろ姿をただ見るしかできなかった