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夢
第17章
再会
「白衣よく似合ってる」
「亮…どうした?」
「俺から会いにきた」
「なんかあった?」
「あった…」
「亮?」
「終わるの待ってるよ」
診察が終わり、仕事を終え病院を出ると、亮がいた
「亮!!」
「夢…お疲れ」
「飯まだだろ?」
「あぁ」
近くの料亭に入る
「なんか医者とか政治家が来そうなとこだな」
「まぁな」
「夢…ホテルなんで午前中チェックアウトした?」
「………」
「俺、行ったんだぜ、でもいなくて」
「実家に……」
「会えたのか?」
「見てるだけしかできなかった」
「なんで?お前は医者になってちゃんと自分の足で頑張ってるだろ?」
「なんでかな…二人見たら、金縛りにあったみたいになってさ…」
「夢……そっか、でもいつか必ず話せる時くるよ」
「あぁ…亮、俺に何か用だったのか?」
「夢……結婚すんのか?」
「は?」
「さっき病院で聞いたよ」
「噂だろ」
「彼女なんだろ、一緒にいたの…」
見ていたのか…
「彼女は、友達だよ」
「すごい仲よさそうだったからさ…」
「……お前こそ、結婚したんだろ?」
「は?結婚?」
「車におもちゃとか靴とか散乱してた」
「あぁ…あれな…うちにいるガキ共だ」
「ん?」
「施設になじまない子供がいてさ、俺がマンションに連れてきて面倒みてんの!!」
「そうだったのか…」
少し安心する夢
「あぁ…結婚なんか一生できねーよ(笑)」
「亮…」
「あぁ…食った!!」
「ホテルまで送るよ」
夢は気づいていた…亮の薬指にあのリングがはめてあったことを…
この前はつけてなかったことも…
でも夢は怖かった
何も言えなかった
「じゃ…な亮」
「うん」
「来てくれてありがと」
タクシーに乗り込むと亮が引き吊り出した
「夢!!」
「亮…っ」
夢を抱きしめる亮が…泣いていた