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王子と専属メイドの戯れ
第3章 昼休み
「ん、美味しい」


頭の上のほうから声が聞こえます。


光騎さまは苺ジャム付きスコーンを望み通り召し上がれたのでしょう。




「ね、里音…?」



み、光騎さまが呼んでる…応えなきゃ…



「あ、は…はい?」



でも、顔が上げれないっ!!




「次は、林檎ジャム」



そう言って、テーブルの上にあるスコーンをまた一欠片ちぎります。

口に含むとわたしの俯いた顔の耳元に唇をよせます。


「里音が俺にジャムを運んでよ」


「…つぁ…」


囁き声に耳がくすぐったいです。



なんだかまた頭がポーッとしてきます。



あ……はやくっ…応えなきゃ……



「…か、かしこまりましたっ」



ジャムに視線をやり、林檎ジャムをスプーンですくいます。



すくったスプーンを持ち、光騎さまに視線をやりました。



光騎さまは口角を上げて微笑し、わたしを見下ろしています。




ああ…


わたしはこの目に逆らえない……



従うことが幸せなんです…っ



わたしはジャムを口に含みました。
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