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悪戯な思春期
第2章 重ねた王子様は微笑んで

 腰から力が抜けていく。
 キスだけで人は天国を見られんじゃないかと思う位気持ちよかった。
 鼻が触れ合う距離で、彼の瞳に捕らわれてしまう。
 普段決して聞くことのない甘い水音。
 こんなに濡れているのに、渇いて仕方ないかのように二人は激しく舌を絡ませる。
 ゆっくりと雅樹の背中に手を回すが、ガタガタ震えていた。
「んっ……はぁ」
 時折流れてくる空気を貪欲に求めて息が漏れる。
(このまま死んじゃう)
 頭がぼうっとしてきた。
 だが、突然違う衝撃が襲いかかった。
 雅樹がいつの間にか胸に手をかけていたのだ。
 脳内が荒れ狂う。
 そっと掴まれ、それだけで涙が出るほど快感を得る自分。
「はは……ふっ、エロ……」
 雅樹の目が妖しく輝く。
(あぁ、壊されてしまうな)
 夢の中での瑠衣とのキスは全然こんなものではなかった。
 こんなに熱く、狂わせるものではなかった。
「……はぅっ、……ま、まっ……て」
 胸の突起を指で潰され、私は反射的に逃げてしまう。
 しかし、腰に添えられた一方の手がそれを許さない。
「まっ……て……ん、っまさ」
「やめる?」
 遠慮がちな私の制止に意地悪く彼は言った。
 突然途絶えた快感に、私はどうしていいかわからなくなる。
 このままでは、間違いなく流されてしまう。
 それが悪いかもわからない。
 雅樹は余裕ある瞳をしていた。
 彼は狂ってなどいない。
 この快感に流されたりしない。
 私は恥ずかしくなって、俯いた。
 口の中は甘い液が流れる。
 止められたキスを思い出して、顔が朱くなった。
「椎名?」
 濡れた唇でさらに美しく危うい雅樹の顔が、上からのぞき込んでくる。
 私はまた、パッと顔をそらす。
 二度目は無かった。
 雅樹が両手で私の頬を捕らえたのだ。
(……ずるい)
 強制的に向かい合わせとなる。
「椎名」
 何度目だろうか。彼が尋ねた。
 涙が零れる。
 息がつまる。
 私は臆病だ。
 声が漏れる。
 何も言わずに、雅樹は抱きしめた。
 暖かい胸板の中で私は号泣した。
 初めてがあまりに多すぎて、私は沢山の恐怖に遭遇したのだ。
「雅樹! ごめ……んね」
 優しく背中をさすられる。
「俺が強引過ぎた。怖がらせてごめん」
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