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天使の恋 〜凛花〜
第4章 すれちがい
原社長は悪い人ではなかった。
最初は体でも売らなきゃいけないのかと戦々恐々としていたが、とても紳士で、いつも同伴でおいしいものを食べさせてくれたり、人からもらったと言ってはプレゼントをくれたりした。
私は社長をけっこう気に入っているフリをしながら、それとなく恋愛には慎重なフリも見せて、ところどころで拓也の会社を褒めたりして、うまくひっぱりながら、季節は秋から冬になっていた。
クリスマスに食事に行こうと言われた時は戸惑ったけど、
「ちゃんとその後店にも行くよ」
と言われ、断れなかった。
食事をしている途中、
「そういえば松岡くんは最近店には来ないのかい?」
と聞かれた。
松岡とは、拓也の苗字だ。
「そうですね。社長のおかげで、お仕事忙しいんじゃないですか」
「彼も、君を指名してるんだろう?」
「…」
驚いて、とっさに否定できなかった。
「見ていればそのくらいわかるよ」
「…」
「そして、君が彼に惹かれていることもね」
「…」
「安心して。彼の仕事ぶりには本当に信頼を置いてる。僕だっていい歳だし、こんなことで仕事に影響が出ることはないよ」
原さんは、私の震える手を握ってくれる。
「いいんです。彼は私のことは指名嬢という以上には思ってませんから」
言いながら、涙が少し浮かぶ。
お客さんにこんなこと話しちゃうなんて、最低だ。
今までこんなこと絶対なかったのに。
拓也に出会ってから、私変だ。
「しかし松岡くんもこんな可愛い子を泣かせて、何をしてるんだか。忙しいって言ったって、年内はひと段落して、今日も早く終わってるはずだけどな」
と、原さんは苦笑する。
忙しいことが言い訳なのはわかっていたことだ。
「あ、今のは僕からのちょっとしたいじわるね。ははは」
原さんはにこにこ笑っている。
彼は今どこで何をしてるんだろう。
会いたい。
今すぐ会いたい。
最初は体でも売らなきゃいけないのかと戦々恐々としていたが、とても紳士で、いつも同伴でおいしいものを食べさせてくれたり、人からもらったと言ってはプレゼントをくれたりした。
私は社長をけっこう気に入っているフリをしながら、それとなく恋愛には慎重なフリも見せて、ところどころで拓也の会社を褒めたりして、うまくひっぱりながら、季節は秋から冬になっていた。
クリスマスに食事に行こうと言われた時は戸惑ったけど、
「ちゃんとその後店にも行くよ」
と言われ、断れなかった。
食事をしている途中、
「そういえば松岡くんは最近店には来ないのかい?」
と聞かれた。
松岡とは、拓也の苗字だ。
「そうですね。社長のおかげで、お仕事忙しいんじゃないですか」
「彼も、君を指名してるんだろう?」
「…」
驚いて、とっさに否定できなかった。
「見ていればそのくらいわかるよ」
「…」
「そして、君が彼に惹かれていることもね」
「…」
「安心して。彼の仕事ぶりには本当に信頼を置いてる。僕だっていい歳だし、こんなことで仕事に影響が出ることはないよ」
原さんは、私の震える手を握ってくれる。
「いいんです。彼は私のことは指名嬢という以上には思ってませんから」
言いながら、涙が少し浮かぶ。
お客さんにこんなこと話しちゃうなんて、最低だ。
今までこんなこと絶対なかったのに。
拓也に出会ってから、私変だ。
「しかし松岡くんもこんな可愛い子を泣かせて、何をしてるんだか。忙しいって言ったって、年内はひと段落して、今日も早く終わってるはずだけどな」
と、原さんは苦笑する。
忙しいことが言い訳なのはわかっていたことだ。
「あ、今のは僕からのちょっとしたいじわるね。ははは」
原さんはにこにこ笑っている。
彼は今どこで何をしてるんだろう。
会いたい。
今すぐ会いたい。

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