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天使の恋 〜凛花〜
第5章 衝動
「あれ、凜ちゃんと原社長じゃん」
と翔平が言う。
現場から帰る車の中、信号待ちで止まっている時だった。
最近できたイタリアンは、ガラス張りになっていて、店内が外から丸見えだ。
「あらーずいぶん仲良さそうにしちゃって」
そんな場所にも関わらず、凛花と原社長は、テーブルの上で手を握り合っていた。
「色営業だろ」
「凛ちゃん、そんなことするかー?」
「さぁな」
目を背け、タバコを取り出す。
「あ、ちょっと社長、ウチは禁煙よー」
「…」
ふざける翔平を無視して火をつけようとするけど、うまくつかない。
「車置いて、どっかで一杯飲んでく?」
翔平の誘いを、悔しいことに断る理由はなかった。
身を引こうと決めた。
二人の道が交わることはない。
俺は今の会社を守ることに集中しなければいけない。
独立して5年、がむしゃらにやっているうちに、年商も、養わなければいけない従業員も増えていた。
彼女は夢に向かって一直線に進んでいる。
現場仕事の辛さをわかっているだけに、夜も働いているなんて大したものだと思う。
「自分で決めたことだから、親には頼れないし」
とあっけらかんと笑う彼女が、なるべく効率よく稼げるように、売上には貢献したいと思った。
それが、仕事後朝まで連れ回していたら意味がない。
彼女なら俺がいなくてもどんな客ともうまくやっていけると思っていた。
原さんとも現にうまくやっていると思っていたのに…
手を握っていたことなんて、どうでもよかった。
ガラス越しだったからはっきりとは見えなかったけど。
その目に、涙が浮かんでいたように見えて。
俺には涙なんて見せたことなかったどころか、辛い顔すらしたことなかったのに。
何があったーー
「社長、閉店の時間よ?」
翔平の声で我に返る。
一杯のつもりが、気づけばかなり飲んでいた。
何の話をしていたのか、上の空で記憶にない。
いつの間にか深夜をとっくに回っていた。
「さて、俺は愛する妻と娘の元に帰りますかね」
と翔平が言う。
「やめろよお前そのキャラ」
「連絡してみれば?そろそろ店も終わる頃だろ」
「…」
と翔平が言う。
現場から帰る車の中、信号待ちで止まっている時だった。
最近できたイタリアンは、ガラス張りになっていて、店内が外から丸見えだ。
「あらーずいぶん仲良さそうにしちゃって」
そんな場所にも関わらず、凛花と原社長は、テーブルの上で手を握り合っていた。
「色営業だろ」
「凛ちゃん、そんなことするかー?」
「さぁな」
目を背け、タバコを取り出す。
「あ、ちょっと社長、ウチは禁煙よー」
「…」
ふざける翔平を無視して火をつけようとするけど、うまくつかない。
「車置いて、どっかで一杯飲んでく?」
翔平の誘いを、悔しいことに断る理由はなかった。
身を引こうと決めた。
二人の道が交わることはない。
俺は今の会社を守ることに集中しなければいけない。
独立して5年、がむしゃらにやっているうちに、年商も、養わなければいけない従業員も増えていた。
彼女は夢に向かって一直線に進んでいる。
現場仕事の辛さをわかっているだけに、夜も働いているなんて大したものだと思う。
「自分で決めたことだから、親には頼れないし」
とあっけらかんと笑う彼女が、なるべく効率よく稼げるように、売上には貢献したいと思った。
それが、仕事後朝まで連れ回していたら意味がない。
彼女なら俺がいなくてもどんな客ともうまくやっていけると思っていた。
原さんとも現にうまくやっていると思っていたのに…
手を握っていたことなんて、どうでもよかった。
ガラス越しだったからはっきりとは見えなかったけど。
その目に、涙が浮かんでいたように見えて。
俺には涙なんて見せたことなかったどころか、辛い顔すらしたことなかったのに。
何があったーー
「社長、閉店の時間よ?」
翔平の声で我に返る。
一杯のつもりが、気づけばかなり飲んでいた。
何の話をしていたのか、上の空で記憶にない。
いつの間にか深夜をとっくに回っていた。
「さて、俺は愛する妻と娘の元に帰りますかね」
と翔平が言う。
「やめろよお前そのキャラ」
「連絡してみれば?そろそろ店も終わる頃だろ」
「…」

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