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天使の恋 〜凛花〜
第5章 衝動
「もしもし」

一人になって電話をかけると、ワンコールで相手の声がした。

「もしもし?」
電話をかけてみたものの、何を言っていいかわからない。
「何してんの?」
「何って、店終わったところですけど…」
「…電車ないじゃん」
「…そうだね」
突然の連絡に、苛立っているのが電話越しに伝わる。

でも、それどころではない。

「会えない?」
「…」
「駅前のコンビニのとこにいるから」



ダメ元だったが、ほどなく彼女は来てくれた。

飲んでいるのか、寒いからか、頬が上気している。

突然呼び出したのに、彼女は黙って俺の前に立っているだけで、理由も聞かない。

「原さんと、なんかあった?」
涙の理由を知りたくて尋ねると、下を向いて
「何もないよ」
と答えられる。

「でも、そろそろ引っ張るの限界かも。たっくんの指令なのに、ごめんね」
口元は笑っているが、表情が見えない。
何を考えているのか。

きっと何を聞いても、答えることはないだろう。

だとしたら、どうやったら彼女の心に近づける?

頭がぐちゃぐちゃになって、でも、目の前にいるこの子をどうにかしたくて。

気づけば彼女を力一杯抱きしめていた。







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