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天使の恋 〜凛花〜
第6章 まじわり
「!」
突然拓也に抱きすくめられて、身動きが取れない。

微かな香水の香りとお酒の匂い、タバコの匂いが混ざった吐息が耳元で漏れる。
一度キスされて以来、数ヶ月ぶりの彼の体温。

「ちょ…こんな明るいとこで…」
深夜とはいえ、人がまばらに歩いている。

放っておかれた腹立たしい気持ちと、恥ずかしい気持ちと、会えて、こうやって抱きしめられる嬉しさが入り混じって、頭が混乱している。

私の微かな抵抗をよそに、拓也の左腕は私の体を抱き、右手は髪の間に入れて、うなじに唇を押し付ける。

「の…飲んでたの?みんなは?」
「帰った」
「一緒に帰ればよかったのに。そんなに私に会いたかった?」
平静を保つために冗談めいて言ってみる。

「うん」
体を抱く手に力が込められる。

「…と、とりあえずどっか入る?て言っても、空いてるとこあるかな…」

「抱かせて…」

「……え?」

「抱きたい」

「………」

消え入るような、でも意思の込もった声で、囁かれる。

なんでこんなことになってるのかわからない。
都合のいい女になるなんてまっぴらごめんだ。

なのに…

私は、その意思表示に、こくりと頷いてしまった。
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