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熱指
第1章 熱指。
ガタン、ゴトン…
ガタン、ゴトン…
朝の揺れる電車。
冬の寒さは密接した乗客のおかげで吹っ飛びそう。
電車の扉が開いている間だけが、充満した二酸化炭素が外へ逃げ出す時間。
そんな中、私は背後の人物に期待して立っていた。
おなじ駅から、乗る時。
ときどき後ろにぴったりくっついてくる人物。
顔は知らない。でも同じ人なのはわかる。
振り向く暇もなくそのまま一緒に乗り込む。
ぎゅうぎゅうの車内、他の客に嫌な顔をされても絶対離れない。
──あ…きた…。
さわさわとお尻を撫でる手。
決まった時間の、決まった駅。
そこで朝の卑猥な行いがときどき起こる。