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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
 


「ねぇ、サクラはナツのご家族?」


 先ほど見せた兄に対しての思慕にも似た、それほどまでナツ達が心から彼を慕っているように見えたから。


「「「「「「マブダチ!!」」」」」」


 やはり一拍遅れて、


「マブ、マブダチ……」


 ハナタレナツがぽっと顔を赤らめた。



「マブダチって……」


 するとサクラははにかみながら言った。



「親友の……もっと上、かな?」



「「「「「「そう、もっともっともっと上!!」」」」」


「もっともっともっと上」



 タイミングはずれても、ナツ達の意見は一致。



 それがサクラには嬉しいらしい。

 満面の笑みを見せるナツ達に、触発されたように笑うサクラ。



 ああ、いいな。

 この和やかな空気、とってもいいな。


 そして始まる、わいわいがやがや騒騒しい時間が。


「あのねぇ、サクラ。僕、しーちゃんのお嫁さんになるんだ!!」

「サクラも結婚式に来る?」

「あのねあのね、フユちゃんのお洋服作ったんだ!!」

「招待状あげるね!!」

「もう僕ね、お嫁さんになれるのが嬉しくてたまらないんだ!!」

「さっきお兄ちゃんからお手紙きて、お兄ちゃんにも紹介しちゃったんだ、僕のしーちゃん」


「し、しーちゃんが、好き……なの。しーちゃんのお嫁さん、くふっ」


 
 サクラは哀れんだ目をあたしに向けた。


「あんたは……、ナツ達全員を嫁にするのか?」


 口調を変えたのは、ナツ達のためだろう。

 あたしもかしこまって礼を尽くされるより、こちらの方がいい。



「嫁……、なの? ナツ達が?」



 サクラからの質問をナツ達に質問で返す。



「「「「「「そう!!」」」」」」

「そ、そう!!」
 


「そうらしいわ」

「ということは、あんたを気に入ったこいつらの暴走か」


 サクラは苦笑した。 



「なぁナツ。嫁になるのなら嫁入り道具が必要だぞ?」


 なんとも複雑そうな表情で言うサクラに、ナツ達は「よくぞ訊いてくれました」と言わんばかりに顔を輝かせると、一度ぱーっと散り、そしてそれぞれ"大きいなにか"を持ってきた。


 あたしとサクラはきょとんとしながら、あたし達に"公開"するために順番待ちをして並ぶナツ達を見つめた。


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