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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
「お、お前子供がどうやって作られるのかわかっているのか?」
「うん。サクラ、お耳貸して……? ごにょごにょごにょ……」
「ぶ――っ!!」
「「「「「「サクラ、汚い~」」」」」」
白ナツがさっさと雑巾を取り出して、彼の撒き散らした唾を拭き取っている。そこまで汚いとは思えないが、白ナツは必死だ。
サクラの顔は真っ赤で、目が泳いでいる。汗がだくだくと流れていて。
この様子では、子供が出来るのは"コウノトリさんが運んでくれるから"などというファンシーな幻想は抱いていないようだ。
「サクラも子供、生ませたことあるの?」
「あるわけないだろう、俺は――っ!!」
なんであたしを見る?
サクラは口を手の甲で隠すようにして、顔からしゅうしゅう湯気を出した。
こんな小さなハナタレナツに狼狽えるのが可愛くて。
「ふふふ、サクラは……。格好いいだけではなく、凄く可愛いわね」
「なななななな!!」
ああ、湯気になって消えてしまいそうなほどの赤さ。
こんなに美貌の持ち主なのに、なんて初々しい。
「なんかとっても、ぎゅっとしてあげたい……」
その言葉に、7人のナツ達の目がぎんと鋭い光を放つ。
それを知らずに、あたしはサクラをからかうように遊ぶ。
「な、なにを……っ、俺をからかうなっ!! 可愛いなんて、子供に言う台詞だろう!? 可愛いのは、ナツ達だろう!?」
「可愛いにも色々種類があるわ。可愛い大人というのは、褒め言葉よ。その可愛らしさに、あたしはますます貴方が好きになってしまったようだわ」
「「「「「「好き!?」」」」」」
「す、好き!?」
「そ、そんなことを軽々しく言うなっ!! あなた……あんたはっ、姫だろう!? そういうことはあんたを欲しいという男に……」
「ねぇ、サクラ。あたし昔あなたと会ったことはない?」
突然切り出した、あたしの疑問。
「あなたの雰囲気や声に、記憶があるの……」