この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
 

 すると彼は――。


 切ないような嬉しいようなそんな表情を浮かべて、なにか口を開きかけたが、苦しげにぎゅっと目を細めると一度唇を噛んでから言った。


「……気のせいだ。俺とあんたは、今ここで初めて」

「だったらなんであたしの名前を知っていたの? ねぇ、あなたは誰なの?」


「俺は……」


 まただ。

 またその瞳に、懇願するような切ない光が宿る。


「俺は……っ」


 しかし出て来ない彼の正体。

 焦らされたあたしは、ずばり訊いてしまった。



「あなたは、あたしを待つと言った……王子様なの?」

「――っ」


 激しい動揺の色が彼の顔に浮かぶ。


「違う……。それは俺じゃない。それは……」




「「「「「「サクラ!!」」」」」


 ナツ達の怒ったような声に、サクラははっと我に返ったようで。



「しーちゃん……」



 ハナタレナツがサクラから下りると、あたしの指をぎゅっと握った。



「しーちゃんは、僕ではない……王子様を待ってるの……?」


 それはいつものおどおどとした様子はなく。


「しーちゃんは、僕をお嫁さんにしてくれないの?」



 子供らしからぬ、言わば"男"の顔。



 だからあたしは、怯んでしまった。

 まっすぐすぎるその瞳に、滾る熱を見たから。
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ