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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)


 不思議と、初めて見る男性器を気持ち悪いとは思わなかった。

 サクラのモノだと思えば、しかもあたしが触る度に素直な反応を返してくれていると思えば、母性本能が擽られ、精一杯愛でて大事に守りたい気分になってくるんだ。

 あたしの手で、可愛がってあげたい――。


「手を離せ。やめ、っ……!!」


 サクラが慌てて止めようとした瞬間に、筋張って不思議な形をしたそれの軸の部分をサクラがしていたように上下に動かすと、サクラは反り返る。


「凄い…敏感なの?」

「黙れ」

 恥ずかしそうに顔を背けられる。


「気持ちいい?」

「……知るか」

「気持ちよさそうだよ?」

「男の生理的条件反射だ」


 難しいこと言う言葉遣いがぞんざいなものに変っているのに気づかず、サクラはあたしの手をどかせようとするから、あたしは反対の手でサクラのケガの部分を強めに叩く。

「……くっ」


 サクラ、戦意喪失。同時にあたしの手の中のモノも少し戦意喪失したらしい。面白い、サクラと通じているみたい。

「ほらほら、触らせてくれないと大変なことになるよ?」

「な、なんで触りたいんだよ!!」


 動揺なのか、声が裏返っている。


「あたしが気持ちよくさせてあげたいから。だってあたし、呼ばれてたし」

「!!?」


「だからまた呼んで、シズルって。本人に……」

「っ!!」


 サクラの顔が恐怖と羞恥を半々にしたような、おかしな表情を見せてきた。

「ねぇ、いいでしょう? 触りたいの。これを触ってサクラが感じていたあの顔、間近で見たいの。サクラだってあたし本人に触られた方が感じるでしょう? 想像でもあんなに感じてはあはあしていたんだから」

「どこから見てやがったんだよ……ああ。とにかく、駄目だ!!」

 拒絶の言葉とは裏腹に、叩いた足の痛みゆえに幾分か柔らかくなっていたそれは、むくむくと勃ちあがって、天井を向き始めている。

 まるで喜んでいるようだ。


「期待、してるんじゃ?」

「してない!!」

「だけど……」

「見ない振りすればいいだろ!!」

「見ない振りするにしては大きすぎるよ、サクラの」

「――っ!!!!」


 サクラががくりと項垂れた。

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