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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 

「どうしました?」


 わかって聞いて来る。

 メガネの奥のその笑った目が腹立たしいけれど、言い返せられない程、あたしの身体はサクラを求めすぎていた。

 中途半端で終わった自慰の時から、あたしはサクラに触れられたかったんだ。だけど……顔を近づけられているというのが、恥ずかしくて溜まらない。


「あたしだって手で触ったんだから……」

「……俺の時と同じく手ならいいと? 駄目です、俺は姫に十分に責任をとらねばならない。同じ程度ではいけません。だけど……姫。あなたは本当に、俺のを見ていただけで、こんなになったんですか?」

「……っ!?」

「……なんでこの時間、湯浴みに来られたんです?」


 上気したその顔が上げられる。

 その瞳は、見透かしているのだろうか。


「……俺と同じことをしていました?」
 

 心臓が口から出そうだ。


「俺のように……あなたは俺の名前を呼んで、上り詰めようとしてた?」


 ああ、もうバレてる!!



「悪い!?」「なあんてね」


 同時に放たれた、反対の言葉。


「「え……?」」

 直後に放たれたのは、同じ言葉。


「え……まさか、冗談で……」

「え……本当に……?」


 穴があったら入りたい。

 自分で暴露するなんて、もう恥ずかしくてたまらない。


「笑うなら……笑えば!? あたし……男のひとと接するの、免疫ないから……穴に落ちたことのこと引き摺って。それが変な妄想になって、初めて、初めて……こんなこと!! だけど我に返ったから、頭を冷やしに来て。だけど結局……っ!! いやらしいって笑ってよ!!」


 開き直って言いたいことを言い、思わず涙を流してしまうと、サクラの指があたしの涙を拭う。

 そこには、からかうのではなく……優しい笑みを浮かべたサクラの表情があった。
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