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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)


 真上には燦々と輝く太陽。

 どこかで小鳥の声も聞こえる、幼き頃の思い出を残す白薔薇の香しい匂いに包まれた中で、かつて一緒にブランコを漕いで遊んだ相手が、そのブランコに足と腕を組んで座り、冷ややかにあたしの痴態を見つめている。

 あたしの大好きな場所で……あの魅惑的な黒い瞳で――。


 下着の中は、朝拭き取ったはずなのにもう湿っていた。


――いやらしい姫だ。


 いやらしい言われる度に、身体を疼かせて濡らしてしまうあたしは……真実淫乱なのかもしれない。

 だけどわかっている。

 サクラだから、あたしの身体はこうなる。

 サクラだから、こんな大胆なことも出来るってこと。


 だからどんなにお母様の笑い声が聞こえようと構わない。

 サクラに反応するこの身体を、サクラに見せたいから。



「はぁはぁ……サクラは、特別なの。ん、はぅ……たとえ勘違い女と言われようと、んんっ……この気持ちは、ぁ……か、勘違いじゃない」


 下着の中を弄りながら、潤んだ目で訴えると、サクラは自嘲気に笑う。


「特別? どう特別なんですか、姫」

「どう……?」


 だけどどう特別なのかという、説明があたしには出来ない。

 普通のひととは違うという意味の特別とは違うのに、こうだとずばりと言い切れる言葉が思い浮かばない。言葉になって、外に出て来ない。

 射るようにあたしを見ていたサクラの瞳が、返答に窮すあたしを見て、やがてからかいの形に細められた。

「姫は、孵化したばかりのひよこと同じ。殻から出た時に見たのが俺だったから。俺があなたの身体に触れた最初の男だったから、だから特別だと思っているだけです。これが違う男だったら、あなたはその男を特別だと思っていたはず」

「違うわ、サクラだから、あたし……こんないやらしいことを」

「その理由が説明できないのに?」
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