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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 

 言葉を使わずに、伝える方法はあるのだろうか。


「なんで突然、そんなことを? 昨日までは俺に突っかかっていたでしょうに」


 あたしがサクラが欲しいっていうことに……。


 大股を開いて弄っている……、あたしがこんな姿をさらすまでのこの覚悟は、サクラに伝わってないの?


「……もうそんな"意地"の茶番はおしまいだ。俺は出かけないといけないし、あなたもそのままでは風邪をひいてしまう。早く屋敷の中に……」

 立上がって"終了"を宣言するサクラが悔しくて。

 だからあたしは、震える手で下着を取り去った。

 脱ぐ際に糸をひく、恥ずかしい下着がなくなり……あたしの恥部を覆い隠すものはなくなった。


「見て……」


 心が伝わらないのなら、身体を見て。


「あたしがただ意地になっているだけの茶番なのか、よく見て」


 見てよ。あなたを欲している、このとろとろの部分を。


「くふ……んんっ……」


 クチュクチュと、粘り気ある音をたてて花弁を割ったあたしの指は、ぬかるみをかき混ぜるような拙いものだったが、あたしは一生懸命に、指でそこを掻き乱した。


 サクラがこちらを向いた。

 恥ずかしくて真っ赤になりながら行為に耽るあたしとは対照的に、サクラは表情ひとつ変わらず、まるで風景の一部を見ているように、無関心な様子だった。


「……っ」


 浴室での……あの燃える目をして欲しい。

 あたしを、風景じゃない"女"として見て欲しい。

 あたしがひとりでしているサクラを"男"だと意識して興奮したように、サクラもまたひとりでしているあたしを"女"だと意識して興奮して貰いたい。

 あの時間をなかったことにはさせたくない。

 あの時間で、あたしはなにかを変えたい――。

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