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可奈さん
第3章 もっとヤバイ展開
アパートのドアにもたれて自分の足先を見ているユミがいた。

1階右端の部屋に近づく俺に気づいたユミは、黙ってコクンと頷いた。お団子にした茶髪にぱっつんの前髪。きりっとした印象のその眼は、どこか遠くを見ているように俺を眺める。


「おまたせ」

「うん」


問い詰める準備が整っているのか、先に部屋に上がる俺の背中にジリジリと尖った視線が突き刺さる。

最初の5分。

それをクリアしたら、ユミは安心して笑う。あの眼がいつものように甘く揺れて、俺の胸に頬を寄せてくる。


「あー今日マジ疲れた。
俺ビール飲むけどユミはコーラだよな」


一人暮らしには充分な小さな冷蔵庫を開け、屈んでから缶ビールに手を伸ばした。


「今日ね、バイト先にまた高校ン時の同級生が来たの」

「あぁ、ちょっと前、久しぶりに会ったって言ってた子?」

「そう、その子」

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