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可奈さん
第4章 傘
真っ白でふわふわなバスタオルを受け取りガシガシと髪を拭く。俺と向かい合って立つ可奈さんは、グレーのタオルで髪を拭く、俺を見上げて。
「あはは、なんかへんなの」
「そ、そうですね、ハハ…」
俺は笑った。そしてさっきの作戦を実行に移す事にした。
「そういえば、今日は旦那さんは出掛けてるんですか?」
可奈さんの手が止まった。
とたんに俺は激しい自己嫌悪に陥る。
傷つけた
可奈さんの傷口を広げた
最悪だな俺って。
「…あの、すみませ…」
「亡くなったの…」
「……え…」
えっ?
死んだ?
ええーーっ!
「い、いつ亡くなったんですか」
「5月の終わり。…心臓が丈夫じゃなかったの。
それから…、残念ながら彼は私の旦那様じゃないの。…もう、どうでもいい事なんだけど…」
懐かしげな、どこか淋しげな笑顔が俺の胃の下辺りをズンッと握る。
「あはは、なんかへんなの」
「そ、そうですね、ハハ…」
俺は笑った。そしてさっきの作戦を実行に移す事にした。
「そういえば、今日は旦那さんは出掛けてるんですか?」
可奈さんの手が止まった。
とたんに俺は激しい自己嫌悪に陥る。
傷つけた
可奈さんの傷口を広げた
最悪だな俺って。
「…あの、すみませ…」
「亡くなったの…」
「……え…」
えっ?
死んだ?
ええーーっ!
「い、いつ亡くなったんですか」
「5月の終わり。…心臓が丈夫じゃなかったの。
それから…、残念ながら彼は私の旦那様じゃないの。…もう、どうでもいい事なんだけど…」
懐かしげな、どこか淋しげな笑顔が俺の胃の下辺りをズンッと握る。