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甘いだけの嘘ならいらない
第2章 カクテルに浸かる透明な嘘


「理紗センパイ。これ、10部コピーお願いします」

「はい、わかりました。御堂くんに渡せばいい?それとも、北条部長かな」

「あ、10時からの会議で使うんで、俺に…」

「そう、会議で要るんだね。じゃあ、コピーできたらあたしが持っていこっか?お茶の用意もあるし」

「いいんですか?すみません、じゃ、お願いします」


にこっと笑って、書類を受けとるとコピー機のある方に向かう。


御堂 玲くんは先週、北条部長と一緒に配属されてきた新人の一人で、あたしより二歳年下。


オレンジっぽい明るい茶色の髪は、うちの会社のカラーコードぎりぎりで、遠目にもわかるイケメンで、少し派手な外見。


だけど、見かけによらず真面目な性格で、仕事にも真剣に打ち込む姿勢はとても好感を持てる。


先週配属されてきて、あたしの隣の席が指定になったから、色々聞かれるうちに打ち解けて行って、今では昼休みに好きなドラマの話で盛り上がれるくらいになった。


やわらかくて可愛らしいイメージが、どことなく英士くんを彷彿とさせるから、親近感を覚えるのかもしれない。


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