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甘いだけの嘘ならいらない
第2章 カクテルに浸かる透明な嘘


あまり待たずに運ばれてきたそれは、名前から予想していた男飯的ながっつりさを野菜が和らげてくれていた。


ごはんを盛った丼の上にチシャ菜が敷かれて、赤とオレンジのパプリカとミニアスパラが彩り綺麗に添えられ、丁寧に盛りつけられたローストビーフが並んでいた。


「わ、美味しそう…!」

「美味いよ。野菜もいっぱいで女子にも人気みたいだし」

「あたし、もっとがっつり重たそうなのかと思ってたから、野菜も多くて嬉しいです」

「喜んでもらえて何より。食べようか」


ご飯の量を選べたおかげで、いつも食べきれないから丼ものが苦手なあたしも、残すことなく間食できた。


英士くん以外の男の人とご飯を食べるのなんて、随分久しぶりで、なんだか緊張していたけど、北条部長の言ってた通り美味しくて、途中からは緊張を忘れてた。


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