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甘いだけの嘘ならいらない
第2章 カクテルに浸かる透明な嘘
「理紗センパイ、大丈夫ですか?顔、紅いですけど。……御堂、その辺にしとかないと、トイレとオトモダチになるんじゃない?」
御堂くんに呆れたような視線を向けて、鳴海くんはため息を吐いた。
鳴海 翼くんは、御堂くんとは対照的に漆黒のストレートな髪が印象的で、背が高くて寡黙なタイプ。
そこはかとなく冷たさを感じるほど綺麗な顔立ちは、女の子受けがよさそうだと思った。
「なんだよ、鳴海ー。いいじゃん、理紗センパイと飲む機会なんてそうそうないんだし」
「いいけど、吐くなよ。フォローが大変だから」
「うわ、冷てえな…」
「事実だろ。理紗センパイ、御堂のことはテキトーにあしらった方がいいすよ。こいつ、酒癖悪いから」
鳴海くんはふっと笑って、ビールを口に含んだ。
「ふふ、御堂くんがこんなに絡んでくるなんて意外だったよ」
「そうすか?見たまんまな気がする……」