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甘いだけの嘘ならいらない
第2章 カクテルに浸かる透明な嘘


話し込んでいるとパッソアオレンジを店員さんが運んできてくれて、あたしは少し前に注文したポテトフライを頬張りながら、一口流し込む。


パッソアオレンジはお酒を飲めるようになって初めて飲んだカクテルで、理紗にぴったりな甘いカクテルだよって元カレに教えられたお酒。


「理紗センパイは、どんな男が好きなんですか?」

「ええと…どんなって言われても…」

「それは俺も興味あるな」

「…え?」


鳴海くんが突然投げかけた問いに、言葉を選びかねていると、後ろから低く柔らかな声が落とされる。


少し離れたところで社長とか専務とかと飲んでいた北条部長が、いつのまにかあたしの後ろのテーブルで飲んでいた。


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