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甘いだけの嘘ならいらない
第3章 背徳の恋
「理紗。俺のことをどう思ってる?」
「…っ」
「好きだよ。もう、知ってるよな」
差し出されたカクテルを、何か知りもしないで口をつける。
高熱を出したときのように、喉が、身体が水分を欲しがって、無意識に指先がグラスに触れていた。
自分の喉を通るそれは甘く口当たりがよく、英士くんと飲みに行くときにだけ飲むようにしていた、カクテル。
甘くて優しい口当たりなのに、アルコールがきつくて、容易につぶされてしまう。
スクリュードライバーには、レディー・キラーなんていう物騒な通り名があると、教えてくれたのもやっぱり、お酒が好きな元カレだった。