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甘いだけの嘘ならいらない
第6章 騙されてあげる、それは君が好きだから
♡ ♡ ♡
「んっ……ぁ…ふ……」
電車の中では強めな振動だったローターは、会社のエントランスに着く頃には微弱な振動に弱められていた。
それでも、時折あたしの弱いところに食い込むように攻めるローターに、思わず声が漏れてしまう。
まだ始業時間まではかなり時間があって、誰もそばにいなかったのがせめてもの救いだった。
「英士くんの、いじわる……っ」
もう喘ぎ声が漏れないように気をつけなきゃ、と唇をきゅっと結んで、英士くんに聞こえるはずもないのに、ちいさく反発した。
制服に着替えてデスクに座ると、熱った身体にため息を吐く。
「おはようございます。……理紗センパイ?顔紅いですけど……熱でもあるんじゃないですか?」
「あ……っ……えと、おはよー…」
「……あの…本当に、つらそうですけど、大丈夫ですか?」
余程憂鬱そうな顔に見えたらしく、御堂くんとは反対側のとなりの席の鳴海くんが、心配そうにあたしをみつめてた。