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第1章 うまくいかない恋ばかり

やはり、その日は散々であった。
やはり、ちょっとは落ち込む。
社員食堂で1人、ため息をつきながらご飯を口に運ぶ。
「西野さん、どうしたんですか？」
三輪さんに声をかけられる。
俺は笑顔を作った。
「なんでもないよ」
いつものように答えた。
「…少し、元気がないように見えますが…でも、大丈夫なんですね。」
三輪さんは明るく笑った。
「隣で食べていいですか？」

三輪さんは、小柄でかわいらしい。
俺より３つ年下で、小動物のような人だ。
職場のみんなが憧れている。
俺も、かわいいと思うが、妹みたいなものだと思う。

「もうすぐ、バレンタインですね。」
三輪さんがぽつりと言う。
「西野さんはもてそうなので…」
「そんなことないよ？彼女いたこともないし…」
ええっ！？と三輪さんが驚きの声をあげる。
そこへ、休み時間終了のチャイムが鳴った。
「西野さん、素敵なのになぁ…」
とぼやきながら、仕事に戻っていく。